お役立ち経営情報 2012年3月

Section3 制度融資の概要と活用ポイント

慢性不況を乗り越えるための 中小企業の資金調達の実務

3-1 制度融資とは

制度融資とは、各種自治体が定めた条件に基づき、中小企業が事業に必要な資金を円滑に調達できるよう支援するものです。国や県、市が、定型の融資制度を設定することになっており、多少の差異はありますが、その仕組みは概ね以下のように整理できます。
制度融資の図式 中小企業の利用頻度が高かったのは、民営化された商工組合中央金庫と旧このように、制度融資の特徴は信用保証協会の信用保証を受けることによって、金融機関からの融資が円滑に進む点にあります。地方公共団体は金融機関に対し利子補給をするため、地方公共団体が定める低利な利率で融資を受けることができ、何より固定金利であることが、最大のメリットといってよいでしょう。

3-2 信用保証協会

事業資金を金融機関から調達する際、担保力や信用力が不足していると希望額に届かないことや融資そのものを断られてしまうケースが多々あります。このような場合、金融機関に対して、借入債務を保証し、事業資金の調達の円滑化を図ることが、信用保証協会の役割です。

信用保証協会の対象とする資金の使途は、運転資金と設備資金に限られ、債務保証を行う主な金融機関は一般金融機関です。保証期間は10年で、不動産を担保とする場合に限って、設備資金20年以内、運転資金15年以内の長期融資を受けることが可能です。

保証限度額については、普通保証が2億円、これに無担保保証8,000万円を加えた2億8,000万円が上限になります。事業が複数の地域にまたがっている場合は、複数の信用保証協会から保証を得ることが可能ですが、全国に52ある信用保証協会は共通の信用保険に加入しており、複数の信用保証協会で設定された枠は合算されることになるので、この点については留意が必要です。

保証人は原則として経営者以外の第三者を立てる必要ありません。信用保証料については、協会の運営費の一部を成していることから、融資を受けるにあたり、必然的に徴収されることになります。ただし、金利や保険料と違い、保証委託の対価としての委託金という性格を持っているため、保証料率は全国的に統一されているのが特徴です。

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3-3 信用保証協会を有効に活用するには

信用保証協会の保証付き融資の保証は、従来、信用保証協会が100%行っていましたが、2007年から「責任共有制度」が導入されることになりました。責任共有の割合は、信用保証協会が80%、金融機関が20%。原則としてすべてに責任共有制度が適用されます。

この改定は、信用保証協会と金融機関が適切に責任を共有することで、中小企業への支援強化を図ることを目的としています。背景には長引く不況に伴う中小企業の業績悪化、資金繰りの行き詰まりがあることはいうまでもありません。

このような流れを受け、地方公共団体がそれぞれの政策目的で、制度融資を充実させる動きも生まれています。地方財源の確保は、地域経済の沈滞ムード打破にかかっているといっても過言ではありません。そのため、各地方公共団体とも喫緊のテーマとして着手しています。傾向としては企業の経営状況、成長ステージによって設定されるようです。

企業の成長ステージと保証の種類
創業期
創業等関連保証、創業関連保証など
成長期
普通保証、無担保保証、公害防止策など
安定期
特定社債保証、海外投資関係保証、経営資源活用関連保証など
存続危機
経営安全関連保証、災害関係保証、流動資産担保保証、特定支払契約保証など
発展期
経営革新関連保証、新規事業開拓保証など
事業継承期
経営承継関連保証など

このほか、政府による産業振興等の政策を目的とし、特別な資金を対象とした別枠保証もあります。これらは普通保証と無担保保証を併用して保証を受けられます。また、政策を目的とする制度融資は、地方公共団体でも行われており、信用保証協会への保証料や、金融機関への金利の一部を負担する制度融資も存在します。

主な産業振興等政策目的の保証

  • 労働確保関連保証
  • 特定事業活動等関連保証
  • 特定新技術事業活動関連保証
  • 地域産業資源活用事業関連保証
  • エネルギー資料使用合理化事業活動関連保証
  • 中小小売商業関連保証
  • 中心市街地等活性化関連保証
  • 特定研究開発等関連保証
  • 地域産業集積関連保証…など

3-4 セーフティーネット保障とセーフティー貸付

セーフティネット保証とは、取引先企業の倒産や災害、取引先金融機関の破たんなどにより、経営の安定化が図れない中小企業に対し、必要な資金を通常の保証枠に追加して保証を行う制度のことです。一般保証とは別枠で、無担保保証では8,000万円、担保がある場合は2億円まで補償を受けることができます。

現在、中小企業の経営悪化・資金繰り難への対応策として、セーフティネット保証制度は拡充され、柔軟な対応が可能となっています。2008年10月にスタートし、最近クローズアップされている緊急保証制度はそのひとつです。農林水産業、金融保険業、中小企業性の薄い業種を除く、ほぼすべての業種が利用することが可能です。

セーフティネット保証とは性質を異にしますが、緊急を要する資金調達手段としてセーフティ貸付があります。セーフティネット保証が金融機関の経営安定化資金を融資する際、信用保証協会が保証する制度であるのに対し、こちらは政府系金融機関が資金そのものを融資する制度です。貸付を行うのは、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫です。業種を問わず、長期固定の低金利で融資を受けることができ、使途は以下の3つに限られます。

  • 経営環境への対応
  • 金融環境への対応
  • 取引先企業の倒産による経営時への対応

ただし、いずれも取り巻く外部環境の激変に対応する時間的猶予の創出を目的としています。緊急保証で得られた資金を元に、中小企業がキャッシュの創出力を向上させないことには、破たんを先延ばしにしているに過ぎないことを付け加えておきましょう。

3-5 アイ・パートナーズ グループの銀行融資支援サービス

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次回は Section4 銀行融資の種類と特徴 をお伝えします
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