お役立ち経営情報 2012年7月

Section2 キャッシュレスにすると生産性がアップする

管理部門の効率化をはかる 経理業務合理化のススメ

2-1 小口現金を廃止する

現金があるだけで、現金の出し入れをする担当者を置かなくてはなりません。
担当の社員は、経費精算の依頼を受けると、領収書記載金額を金庫から払い出し、立て替えた人に支払います。そしてその都度、取引内容や支払額などを現金出納帳に記録するとともに、金庫の現金を数えて現金出納帳の残高と照合しなければなりません。1日の業務終了時には、金庫の中の現金を数えて、金種別に記録します。
さらに、経費精算の際には、金庫にいつも釣り銭があるとは限りません。釣り銭をあらかじめ準備したり、足りない場合には自分の財布から釣り銭を出すようなケースもあるのです。また、金庫内の現金と出納帳残高が合っていない場合に、まず疑われるのは金庫担当社員です。盗難や数え間違いなどの度に、疑惑の目を向けられることもあります。
小口現金があると便利なようですが、このように、それを管理するという煩わしい仕事が生じているわけです。

2-2 経費精算のコストを考えてみる

経費精算作業のコストはどれくらいかかっているのでしょうか。実際の業務を例に挙げ、コストがどれくらいかかっているかを計算してみます。
 たとえば経理担当者が100円のボールペン代を精算するのに、5分間かかった場合、下図の計算のように約200円のコストがかかってしまっているのです。これでは、ボールペンを300円で買っているようなものです。

★経理担当者の人件費(給料、賞与、社会保険)を時給に換算する
 480万円(年間人件費) ÷ 12カ月 ÷ 154時間(1ケ月の労働時間) = 2,597円(時給)

★100円のボールペン代の精算を5分かけて行った場合
 (現金支払、出納帳、領収書整理等)2,590円(時給) ÷ 60分 × 5分 = 216円
 ※ボールペン1本にかかるコスト:100円 + 216円 = 316円

★小口経費精算を1日30分行った場合の年間コスト
 0.5時間 × 22日 × 2,597円(時給) × 12カ月 = 34万2,804円(年間)

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2-3 経費精算はルールを決める

経費の集計作業ができないビジネスマンはいません。経費の集計作業のルールは、経理担当者が決め、下図のように用紙を指定して社員各自で作業してもらいます。
まずは、1カ月分の領収書を取引内容ごとに分類します。そして、交通費や交際費など支払日、勘定科目、支払相手先、支払金額、取引内容をまとめます。勘定科目ごとにそれぞれ集計し、合計を記入します。書き終わった領収書はすべてこの用紙の裏に貼ってもらいます。様式だけ決めて、表計算ソフトを使うか、あるいは手で書くかは、各自にまかせましょう。締め日と提出期限を決めて実践してもらうのです。

2-4 立替経費は給料とあわせて銀行振込にする

現金は、社内にあるだけで、管理に大変な時間とコストがかかります。小口現金を残したまま、経費精算を1カ月に1度行うことにすると、精算日には、まとまった金額を銀行から引き出さなければなりません。これでは、改善の効果が薄らいでしまいます。効果的な改善方法は、下記のとおりです。

1・給料とあわせて振り込む

経費精算の都度、銀行振込をしていたら、振込の準備や承認などの手間が面倒で、小口現金で精算していたのと変わらなくなってしまいます。
そこで、給料と一緒に振り込む方法が有効なのです。給料振込は、ほとんどの会社で行われており、そこに立替経費をプラスするだけで、支払いに関して新たな作業は発生しません。
これで、毎日の経費精算が、毎月決まった日に集中して処理でき、なおかつ管理が面倒だった小口現金を廃止することができるようになるのです。立替経費を給料とあわせて銀行振込で扱うようにすることで、まさに一石二鳥の効果があるのです。

2・給料明細に項目を追加

社員には、給料と一緒に立替経費が振り込まれることになるので、わかるように区分して表示する必要があります。
したがって、給料明細の支給欄に「立替経費」という項目を1つ追加します。
この立替経費は、当然、社員個人の税金や社会保険の対象にはなりませんので、非課税項目として集計してください。

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次回は Section3 経理業務はまとめてやる をお伝えします
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