お役立ち経営情報 2012年9月

Section4 管理するものを減らし、ステップアップする

管理部門の効率化をはかる 経理業務合理化のススメ

4-1 預金通帳を1つにするとキャッシュフローが見えてくる

モノがあるだけで、それを管理する仕事が発生します。管理対象物をできるだけ少なくすることが、合理化の第一歩です。経営は極力シンプルにすることが必要なのです。

1・預金通帳を一本化する

事業が大きくなるにつれ、取引のある金融機関や預金の種類も次第に増えていきます。
近頃はペイオフの関係もあり、リスク分散のために取引銀行を増やしている会社もありますが、預金口座が多ければ多いほど、管理する手間は増えていきます。
取引はできるだけメインバンクに集中させます。売上の入金口座を1つに限定し、振込や口座振替もメイン口座からすべて行います。究極はすべてを1口座(または支店単位で1口座)で管理するようにします。
預金通帳を1冊にすると、次のようなメリットがあります。

■預金通帳を一冊にすることのメリット
  • 預金口座間での資金移動の時間と手間が減る
  • 口座の記帳をする手間と残高確認作業が減る
  • お金の流れがよくわかるようになる
2・通帳を見ただけで資金繰りが分かる

「今現在の預金残高がいくらか?」と質問して即答できる経理担当者は、まずいません。通帳が複数あると、合計しなければなりませんが、1冊であれば残高を見れば現在の預金額がわかります。単純にしておかないと判断がそれだけ遅れるのです。
メインの口座を1つにすると、資金の流れがスッキリして、資金繰りが良く分かるようになります。通帳を1冊にすると、経営がわかりやすくなるのです。

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4-2 売掛金を減らす

会社の取引規模や取引条件により、売掛金や受取手形の金額も違います。
しかし、明らかなのは、現金化されるまでの期間が長いほど、管理する手間がかかるとともに、貸倒れのリスクが大きくなることです。

1・前金だと貸倒れリスクと管理コストがゼロ

パソコンのダイレクト販売をしているデル・コンピュータ社は、代金支払方法が前金かクレジットカード決済のいずれかです。この支払方法であれば貸倒れの危険はありませんし、売掛金を管理する仕事もありません。
この仕組みだと、売れば売るほどキャッシュが増えていきます。
この事例を特殊なケースとしてしまうか、自分のところもやってみようと判断するかは、考え方しだいです。

2・「人がいい経営」が会社を潰す

ある信用調査会社の調査によると、倒産する会社の経営者はみんな人が良すぎるのだそうです。回収は得意先の条件に合わせて待ってあげて、支払いは相手の期限を守ってあげる。こんなことをしていたら、倒産するのは当たり前です。
まず、経営者が代金回収の基準を明確にします。回収基準をハッキリ決めて、社員に徹底しないかぎり、売掛金は減りません。経営者が売上ノルマのことばかり言っていると、営業マンは得意先の都合に合わせて売ってきます。これでは、回収サイトは長くなる一方で、売掛金がますます膨れ上がっていきます。
代金回収の条件で、会社の資金繰りが決まります。回収サイトが短い会社は、資金を効率的に回転させることができます。成功している会社は、いずれも確実な回収を行っています。

3・売掛金の回収管理を早くする

売掛金の回収がしっかりできている会社は、回収結果の集計が早く、未回収残高が一目でわかる仕組みが出来ています。
得意先が数百件になると、売掛金の消し込み作業だけでも大幅な時間がかかります。それだけで専任の担当者が必要になってしまいます。
そのため、できるだけ回収管理がいらない仕組みにしていきます。
小口取引の場合は、宅配便や郵便局の代金回収サービスを利用するか、クレジットカード決済にします。しかし、代引き手数料やカード手数料の負担で、このやり方をやらない会社があります。社内でやる場合の事務コストや貸倒れリスクを考えたら安いものです。回収は専門業者にやってもらうのが得策です。
会費などのように定期的に発生するものは、集金代行会社の口座振替を使うと便利です。集金代行会社からのレポートを見て、回収不能のところだけ対応すれば済みます。大口の法人取引の場合には、銀行の回収管理システムを利用するのがおすすめです。銀行によってシステムは多少違いますが、中小企業でも導入可能な料金設定になっています。
また、ファームバンキングと連動させることにより、経理業務の合理化も一層進みます。
回収管理はスピードが大事です。これは管理コストだけの問題ではありません。売掛金の回収が遅れると、会社の存続に影響してきます。回収管理が回収日から10日以内にできていない会社は、改善が必要といえるでしょう。

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4-3 経理担当者成功のステップ

経理業務の合理化については、だいたいイメージしていただけたと思います。そこで、合理化した後の経理担当者の進むべき方向性について、説明します。

1・ワンランク上の経理業務

合理化して空いた時間で、経理本来の仕事である資金繰りや部門別の予算実績管理などの仕事を担当してもらうことを望む企業も多いと思います。
これが理想型ですが、実際のところ、今までルーチン作業しかやっていなかった担当者が、明日から直ぐに資金繰りや予算管理ができるかというと、難しいといえます。
また、経理の一通りのルーチン作業をこなせるようになると、ほとんどの方は、次のステップとして、決算申告や経営分析をマスターしようとします。しかし、決算や経営分析が出来るようになったとしても、経理として最も重要な資金管理や予算管理ができるようになるわけではありません。あくまでも、理想は、「資金管理」や「予算管理業務」を遂行できるレベルの経理担当者です。

2・他業務兼務

そして、もう一つの方法が、合理化して空いた時間を使って、他部門の仕事をサポートすることです。経理担当者は、几帳面でしっかり数字をとらえる能力を持った方が多いので、他の部門の特に金額を扱う業務をサポートすることは、会社にとって非常に有効だといえます。

経理業務を合理化した後の経理担当者の選択肢は、ワンランク上(タテ)へ行くか、他部門(ヨコ)へ行くかになります。そして、理想論としては、経理担当者が最終的に向かう業務は、繰り返しますが、資金計画と予算管理です。合理化後の経理担当者の方向性をまとめると次のとおりです。

■経理業務合理化後の担当者の方向性
  • STEP1 ルーチン作業を合理化して、作業時間を半分以下にする
  • STEP2 空いた時間で、他部門のサポートを行う
  • STEP3 サポートをしながら、現場で取引の流れを勉強する
  • STEP4 将来の情報を集めて、資金繰りや予算管理を行う

以上、経理業務合理化のススメとして、いくつかの改善法を述べました。どれか1つでも、まずは実践してみてください。実際にこのやり方で成果を上げている会社が多く存在することは事実です。業務改善は、今から出来ることばかりです。

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