お役立ち経営情報 2014年6月

Section4 自ら行動できる社員を育てるポイント

自社の利益にも直結! ー良い職場風土を築くための職場改善活動ー

4-1 「気づく」と「行動」を一体化させる

整理・整頓・清掃を通して、「おかしい」に気付かせ、そして、「何故そうなっているのか?」と原因を見つけて、その原因を無くす行動につなげることは、別々に考えることはできません。
それは、「おかしい」を無くすためには、「行動」が欠かせず、行動することにより「おかしい」がなくなり、次の「おかしい」を見つける目が醸成でき、その「おかしい→行動」の繰り返しで、職場の「きれい」が維持できるようになるからです。
よって、「気付く」と「行動」を一体化させなければなりません。経営者および管理者は、整理・整頓・清掃を通して「おかしい」に気付く教育を行い、その「おかしい」を無くす行動をさせることが求められます。

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4-2 「躾(しつけ)」無くして「行動」無し

自ら行動できる社員を育てるには、「躾(しつけ)」が重要なポイントとなります。5S活動における「躾」を教え込むのは、経営者・管理者の最大の役目であり、自然にできるまで教え込まずに途中でやめれば、それは、「躾」をしたことになりません。
多くの人は、面倒なことはしたくないと考えた方がよいでしょう。例えば、道具を元に戻したり、備品を補充したり、掃除をするのは、典型的な例と言えます。
そのような状態を見て、誰も注意しなければ、そのままになるとともに、放置した人も悪いことに気が付きません。その悪さ加減を気づかせ、元に戻したり、気が利く行動をとらせるのが「躾」であり、その役割を担っているのが経営者および管理者と言えます。場合によって、定着させようと思えば、強制的に実行させなければならないと考える必要があります。
以下に「躾」が定着するまでのステップアップを示します。

■躾(しつけ)が定着するまでのステップアップ

■躾(しつけ)が定着するまでのステップアップ

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4-3 挨拶できる職場づくりを徹底させる

「躾」は、礼儀作法を身に付けさせることでもあります。礼儀作法の中でも基本中の基本といわれるのが、挨拶が当たり前にできることです。
お店に入った時、「いらっしゃいませ」と元気に挨拶されると、元気をもらった気がして、どなたも気持ちがいいはずです。
同じように、事務所や工場に取引先の方が来られた時、元気な挨拶をすると、この会社は気持ちがいいという印象を与えるはずです。つまり、事務所や工場での挨拶は、事務所や工場ができる「営業活動」とも言い換えることができます。

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4-4 「報・連・相」で約束事を守らせる

職場を維持するための重要なルールの中に、報告、連絡、相談(報・連・相)があります。これは、仕事を指示したり指示されたり、また、お互いが連携して仕事をする上で欠かせないルールです。
指示したり指示されたり、お互いが連携して仕事をする時、以下の点を認識する必要があります。

①報告が無ければ、問題把握ができない
②連絡が無ければ、連携した行動がとれない
③相談が無ければ、問題が起こった後で手を打つ後手管理となる

逆に報・連・相がキッチリできていれば、同じ目的に向かって取り組むことができます。つまり、報・連・相は、職場でのコミュニケーションの基本ルールであり、自ら行動できる社員の必須ポイントでもあります。
以下に代表的な報・連・相の内容とタイミングを一覧にしました。

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4-5 社員の自主性が高まり、社内コミュニケーション向上にも成功したA社の事例

(1)目的

A社取引先のB社長がA社を訪問時に、B社長より、A社の環境整備が不十分である点について指摘を受け、それをきっかけにして環境整備を開始しました。
A社では、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える」ことを目的に掲げました。

(2)取組み概要

B社長からの指摘後、全社員で朝礼終了後30分間、社内清掃・改善活動を行う「環境整備」を実施することを決めました。環境整備の具体的活動内容は以下の通りです。

①「環境整備」をする場所を決める
 4週間を1サイクルとし、トイレ・車・床など毎日する場所を決める。
②朝礼終了後、計画を立てたところを30分間行う(就業時間内)
 活動例:ゴミ捨て、トイレ掃除、ガラス拭き、PCまわりの掃除など。
③4週間に1回、社長・幹部が点検をする(=環境整備点検)
 21の項目に沿って、「○」か「×」をつける。
④点検結果については、部署ごとに相互点検を行う
 他部門の改善結果を開示することで、相互の取り組み内容に関心を持たせる。

(3)成果

最初は、やらされ感のある社員がいましたが、職場環境が改善されてくると、その良い状態を自ら維持しなければならないという社員が増えてきました。
やがて、朝だけでなく、気になった汚れ、ほこりについてはその場で自ら除去するような社員が増えてきました。
この活動を通じての副次的効果としては、それまではお互いに見て見ぬふりしたことも少なくなかった社員同士がお互いに気遣うようになり、社員間のコミュニケーションも改善されました。

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4-6 まとめ

組織風土変革は、決してトップダウンばかりでなく、社員自らが考え、行動し、気付きながら取り組むことも必要です。
社員自らが主体的に活動を行う組織をつくるためには、決して難しくない5S活動も大きな成果を上げることが期待できます。
これらの活動の成果はやがて、自社にとって利益にも直結するものです。自社でまだこのような活動が徹底されていないならば、早速、活動を始めていただきたいと思います。

■参考文献

『5Sの基本が面白いほど身につく本』(中経出版)大西 農夫明 著
『5Sの基本と実践がよ~くわかる本』(秀和システム)石川 秀人 著
『書類・手帳・ノートの整理術』(サンクチュアリ出版)小西 七重・池田 秀之 著
『組織風土変革の進め方』(労政時報)片岡 幸彦 著

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4-7 アイ・パートナーズ グループのワンストップサービス

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