お役立ち経営情報 2015年11月

監査担当者日記 〜会計事務所の営業活動②〜

会計事務所の日常とは? ※ フィクションであり、 実在する人物・団体とは一切関係ありません

■登場人物紹介
那須愛斗(監査部・34歳)
…顧客本位とは何かを模索し、畑違いの業種から転 職入社で3年目
高堂豪一(監査部・53歳)
…この道一筋30年のベテラン税理士。溢れ出る会 計センスと経験、度胸がウリ

愛で始まるアプローチ

『今お聞きした税理士さんと、私たちは違うと思います』そう言うと、愛斗は鞄の中のアプローチブックに手を伸ばした。いわゆる営業トークに必要な情報が詰まった1冊のファイルだ。

愛斗は応接テーブルの上に、アプローチブックの1ページ目を開いた。そこに記される「愛」の一文字。不思議そうな表情を隠さない会長と社長を前に、愛斗はゆっくりと話を始めた。『アイ・パートナーズのアイは「愛情・愛着」のアイなんです。お客様に寄り添い、成長を共にするパートナーでありたい。私たちは本気でそう考えています』

会長も社長も視線はアプローチブックに落ちたまま。二人に言葉がないことを十分な間で確認したのち、高堂が続けた。『そんなパートナーになることを実現するため、私たちは皆が行動に指針を持ち、具体的な手段を携えています』。確信に満ちた高堂の声に促されるかのように社長は顔を上げた。『話を聞かせてください』

毎月監査をすることの意義

 アプローチブックに沿って進む愛斗の説明は「月次会計監査」の項目に入った。
『言うまでもなく、月次会計監査は私たち会計事務所業務の根幹です』
『月次、というのは毎月という意味ですね?』会長がたずねた。『さきほどお話した通り、今は決算のときだけ監査をしてもらってますからねぇ』
『そう、毎月です。2ヶ月も、3ヵ月も過ぎた会計はどんどんその価値を失いますから』愛斗が答えると、今度は社長が首を傾げた。『会計が価値を失う?』
『少し極端な話をしますね』愛斗は前置きを入れた。『いざ行動を起こそうという時に、1年前の会計と昨日の会計と、そのどちらが行動の判断に役立ちそうですか?おそらく昨日ですよね』
『いや、確実に昨日です』、間髪入れずに高堂が遮った。『世の中の変化は速く、激しくなる一方です。判断のもとになる情報が古ければ、判断するときにはもう状況が情報とは異なるものになっていたなんて日常茶飯な世の中です。大事な判断であればあるほど新しい情報、新しい会計が求められる。違いますか?』
『その通りですねぇ。タイムリーな会計は必要なことだと私も感じます。でも…』そう言いよどむ会長の後を社長が継いだ。『毎月会計監査をすることで、どれだけタイムリーになるんでしょう?』
高堂の顔に得意気な表情が浮かんだ。『10日以内でも、はたまた翌日でも』

自計化は過去でしかない

『よ、翌日って…帳簿を翌日までにつけてもらえるんですか?』社長の慌てた問いにも高堂は平然としていた。『いや、帳簿をつけるのは会社です』
社長は大きく首を振る。『無理ですよ。ウチの経理は簿記を知らないんです。それを税理士がまとめてくれていた。それをウチがやるなんてできっこない!』

あとはよろしく、とばかりの高堂の視線に愛斗は諦めて後を継いだ。『社長、大丈夫です。私たちがそれをできるようにご支援します。今はIT全盛。知識や人手が不足しても、パソコンやソフトを活用できれば必ず自社でタイムリーな会計が実現します。必ずです。これは私たちの業界で言う、自計化というものなのですが、このご支援に私たちは絶対的な自信と実績がありますから、大丈夫ですよ』
『時代が変われば、やり方も変えねば、ですかねぇ』呟く会長に、愛斗は続けた。
『自計化のスピードと精度が高まるよう、毎月の監査でご支援を続けます。結果、私たちの監査を待たずとも、会社はタイムリーな会計を実現し、経営判断の拠り所にできるようになります』
『それでも不安はありますが。試してみる価値はありそうですね』そう言うと社長は小さな笑みを浮かべた。
『まだ続きがあります』高堂が言った。『どれだけタイムリーになろうと昨日までの会計は過去の域を出ない。より経営を助けるものとして未来会計が続きます』

「この人は決め台詞だけを持っていくよ…」そう心で嘆く愛斗は、混乱の表情を浮かべる会長と社長を前に、高堂の言葉足らずを補う覚悟を決めた。  (つづく)


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