お役立ち経営情報 2016年2月

平成28年度税制改正① 個人所得課税の改正

昨年、今年と所得税の計算における各種控除制度の在り方が議論されてきましたが、今回の改正においても成案を得られることはありませんでした。引き続き「若年層・低所得層の生活基盤確保」「働きたい女性が就業調整を意識しなくて済むような仕組みの構築」「所得の種類に応じた控除と人的な事情に配慮した控除の役割分担」等をテーマとして幅広い議論が行われます。
今回の個人所得税の改正における最大のポイントは、住宅・土地に関する税制です。「空き家対策」や「子育て支援」等、これまでにない観点から減税制度が創設されることになりました。

住宅・土地税制

1.空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設
(1)制度創設の背景

平成25 年の住宅・土地統計調査(総務省)によれば、平成25 年10 月時点の空き家の総数は約820 万戸に達し、中でも周辺の生活環境に悪影響を及ぼし得る空き家の数は、毎年平均して約6.4 万戸増加していることが分かっています。人口減少等により、今後も空き家の総数は増加の一途を辿ることが懸念されており、対策が急務とされているところです。

(2)制度の概要

被相続人が生前居住していた土地家屋等を相続により取得した人が、平成28 年4月1日から平成31 年12 月31日までの間にそれらを譲渡した場合には、譲渡所得金額について「居住用財産の譲渡所得の3 千万円特別控除」を適用することができます。

■本特例の適用要件
相続開始直前に被相続人が居住していた家屋であること
昭和56 年5 月31日以前に建築された家屋であること
相続開始直前に被相続人以外に居住していた者がいないこと
相続発生時から、相続開始以後3 年を経過する日の属する年の12 月31日までに譲渡すること
譲渡対価の額が1 億円以下であること
家屋と土地を合わせて譲渡する場合、次のイ、ロを満たしていること
イ)相続発生時から譲渡するまでの期間に、事業用、貸付用、居住用に使用されていない
ロ)譲渡時において地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる基準に適合している
家屋を除去し敷地のみを譲渡する場合、次のイ、ロを満たしていること
イ)相続発生時から除去するまでの期間に、事業用、貸付用、居住用に使用されていない
ロ)相続発生時から譲渡するまでの期間に、事業用、貸付用、居住用に使用されていない
2.住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設
(1)制度創設の背景

政府は「出産・子育ての不安や負担を軽減すること」を重要な政策課題と位置付け、「世代間の助け合いによる子育て支援」を促進しています。その方策のひとつとして登場したのが、住宅の三世代同居改修工事等に係る2 つの特例です。

(2)制度の概要

①住宅の三世代同居改修工事等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額の特例

個人が所有する居住用家屋について、一定の三世代同居改修工事等を行い、平成28 年4月1日から平成31 年6月30 日までの間に居住を開始した場合、その工事のための借入金の年末残高(限度額1 千万円)に応じて、次の(イ)(ロ)に定める金額の合計額を5年間、所得税額から控除できます。

■所得税額から控除できる金額
(イ)
一定の三世代同居改修工事に係る工事費用(限度額250万円)に相当する住宅借入金等の年末残高の2%
(ロ)
(イ)以外の住宅借入金等の年末残高の1%

(注)三世代同居改修工事等とは
①調理室、②浴室、③便所、④玄関のいずれかを増設する工事
(改修後、①から④までのいずれか2つ以上が複数となるものに限る)であって、工事費用が50 万円を超えるものを指します。

なお、通常のリフォーム工事についても同様の減税措置(住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)がありますが、本特例と併用することはできません。

■主な適用要件
住宅借入金等が償還期間5年以上である
三世代同居改修工事等の証明書及び登記事項証明書を確定申告書に添付して所轄税務署長へ提出する

②既存住宅に係る三世代同居改修工事をした場合の所得税額の特別控除

現在、一定の省エネ改修工事又はバリアフリー改修工事を行った場合に、標準的な費用の額の10%相当額をその年分の所得税額から控除できる制度がありますが、その対象として「一定の三世代同居改修工事」が追加されます。
平成28 年4月1日から平成31 年6月30 日までに居住を開始することが要件で、対象となる工事費用の限度額は250 万円です。なお、その年の合計所得金額が3千万円超の人、既に通常の住宅ローン控除や「特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の適用」等の適用を受けている人は、本特例を適用できません。

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