お役立ち経営情報 2016年3月

平成28年度税制改正② 法人課税の改正

本年度の法人課税の改正は、デフレ脱却までもう一息のところまできている日本経済の好循環を確実な物にするため、「課税ベースを拡大しつつ、税率を引き下げる」という考えの下、平成27 年度より着手されている成長志向の法人税改革が更に大胆に推進されます。
すなわち、「稼ぐ力」のある企業の税負担は軽減され、収益力拡大に向けた前向きな設備投資や、継続的・積極的な賃上げが可能な企業体質への転換が促されるものとなっています。 法人課税の改正

成長志向の法人税改革

1.法人税率の引き下げ
(1)税率引き下げの背景

現在の日本の法定実効税率は31.33%であり、OECD 平均(約25%)、アジア平均(約22%)と比較すると非常に高い水準にあり、この実効税率の高さが、日本企業の海外流出の加速と、立地競争力の低下の要因のひとつであるとかねてより問題視されていました。日本が国際競争力を高めるためには、実効税率を国際的に遜色のない水準まで引き下げることが重要です。
そこで、平成28 年度税制改正では、現在進行中の成長志向の法人税改革をできるだけ早期に完了させることを目的として、法人税率の更なる引き下げが進められました。実効税率が20%台に引き下げられたことによって、日本経済の好循環への後押しが期待されています。

【法定実効税率とは】
法人の実質的な所得に対する税負担率のことをいいます。日本では、法人の所得に対し、法人税、事業税、住民税が課税されます。法定実効税率は、事業税の損金算入の影響を考慮した上で算出します。

■法定実効税率の国際比較

法定実効税率の国際比較

(2)法人税の新税率

平成28 年4月1日以後に開始する事業年度について、次のとおり法人税の税率が段階的に引き下げられます。 法人税の新税率 (※1)中小法人とは、期末資本金の額が1億円以下で、資本金の額が5億円以上の大法人と完全支配関係にある法人を除いた法人をいいます。
(※2)中小法人に対する軽減税率の特例が2年間延長となり、引き続き年800 万円以下の所得金額に対しては、15%(本則19%)の税率が適用されます。

2.減価償却制度の見直し
(1)建物付属設備及び構築物の償却方法の変更

従来から建物については、償却方法が定額法に一本化されていましたが、電気・給排水・衛生設備など建物と一体的に整備される建物付属設備及び構築物の償却方法は、納税者が 定額法又は定率法のいずれかを自由に選択することができました。
しかし、法人税率引き下げによる代替財源の確保のため、建物付属設備及び構築物についても、建物同様その償却方法が定額法に一本化されることとなりました。

(2)適用開始事業年度及び償却方法

平成28 年4月1日以後に取得する資産について適用されます。ただし、鉱業用減価償却資産については、その性質から定額法又は生産高比例法の選択適用が可能です。

■適用対象資産・償却方法の一覧

適用対象資産・償却方法の一覧 償却額×経過年数

3.欠損金の繰越控除制度の見直し
(1)制度見直しの背景

欠損金の繰越控除制度は、平成27 年度の税制改正により、期末資本金の額が1億円超の大法人につき、平成27 年4月1日以後の各事業年度において控除できる所得金額が、二段階で縮小されました。
平成28 年度税制改正では、法人税の実効税率の引き下げによる代替財源の確保を目的として、再度欠損金の繰越控除限度額について制度の見直しが進められました。

(2)控除できる繰越欠損金の限度額

平成28 年度税制改正における制度の見直しによる影響は、すべて大法人に関連するものであり、平成28 年4月1日以後の各事業年度において、繰越欠損金の控除限度額が、3段階で縮小されることとなりました。

■繰越控除限度額の計算(※)

繰越控除限度額の計算 (※)当該事業年度において控除できる欠損金の額は、上記に示した控除限度額と、繰越欠損金の額のうちいずれか小さい金額となります。

(3)繰越期間と帳簿書類の保存期間の延期措置

①繰越期間延長の開始事業年度の延期
平成27 年度税制改正において、欠損金を当該事業年度の所得金額と相殺することができる繰越期間が、最長9年間から最長10 年間に延長されました。
平成28 年度税制改正により、この繰越期間の延長が適用される事業年度は、平成29 年4月1日以後に開始する事業年度から、平成30 年4月1日以後に開始する各事業年度に延期されることとなりました。
②保存期間の延長
前項①の改正に伴い、帳簿書類の保存期間、欠損金に係る更正期間、更正の請求期間の延長についても同様に、開始時期が1 年間延期されることとなりました。
③適用事業年度
平成30 年4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金から適用されます。

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