お役立ち経営情報 2016年4月

クラウドファンディング その1 概要とその特徴

昨今、ネットサービスの普及により、投資などの行為を行う障壁が下がる事象が発生しております。その中で個人がインターネット経由で他の人々や組織に、財源の提供や協力などを行う「クラウドファンディング」が注目されてきています。
そこで、本レポートではクラウドファンディングの概要と、中小企業でも活用できる事例を紹介いたします。

1クラウドファンディングとは何か

クラウドファンディングのクラウドとは、「雲」でなく、群衆を意味する「crowd」です。
企業や個人が、インターネットを通じて不特定多数の投資家から小口の資金を幅広く集めるという意味です。

■クラウドファンディングの定義

クラウドファンディング(英語:Crowdfunding)とは、不特定多数の人がインターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す。群衆(crowd)と資 金調達(funding)を組み合わせた造語。

■クラウドファンディングの形態

クラウドファンディングの形態 (出所:日本クラウドファンディング協会)
クラウドファンディングは、資金提供者に対するリターンの形態により、次の「寄付型」、「購入型」、「投資型」の3つに大別されます。

(1)寄付型クラウドファンディング

インターネットのウェブサイト上で寄付を募り、寄付者(資金提供者)には資金の活用状況等を記載したニュースレター等を送付します。寄付者には対価はありません。 主な資金提供先は、非営利の団体で、被災地・発展途上国支援の団体等が多くなっています。

(2)購入型クラウドファンディング

購入者(資金提供者)から前払いで集めた代金を元手に製品を開発し、購入者に完成した製品等を提供します。購入者への対価は商品・サービスとなります。
主な資金提供先は、音楽・ゲーム制作事業、被災地支援事業、障がい者支援事業等を行う事業者・個人です。資金調達規模は、数万円~数百万円程度となっています。

(3)投資型クラウドファンディング(融資型・ファンド型・株式投資型)

プラットフォーム運営業者を介して、投資家と事業者との間で匿名組合契約を締結し、出資を行います。出資者(資金提供者)への対価は、事業の売上や収益となります。
主な資金提供先は、音楽関連事業、被災地支援事業、食品・酒造・衣料品等の事業です。資金調達規模は数百万円~数千万円程度となっています。

2クラウドファンディングのメリットとデメリット

クラウドファンディングのメリットとデメリットを整理すると下記のとおりです。

■メリット

①資金提供者に対して株式譲渡の必要はない
②事業やエグジット(株式公開等)の設定に対して口出しされない
③プロジェクトを開始する際に、賛同者がどれくらいいるか把握できる
④個人などの資金提供者はプロジェクトを手助けした満足感と、格安で製品・サービスを手に入れることができる
⑤誰でも、新事業、新ビジネスモデルを作るチャンスが与えられている

■デメリット

①オンライン上での関係のためプロジェクト実施者の状況が掴みにくい
②期待した製品・サービスが必ずしも受け取れるとは限らない
③不正・詐欺行為が行われる可能性がある
④銀行・ベンチャーキャピタルなど金融専門家によるアドバイスはない

3SNS が共感や参加意識をバックアップ

クラウドファンディングで集められる資金には、金銭的なリターンがないものが多いにも関わらず、資金を提供する側は、プロジェクトを立ち上げた資金需要者の想いや計画に 対して、「共感」や「参加」といった意識を持って資金を投じています。それができる背景には、Facebook などのソーシャルネットワークサービス(SNS)や、Twitter、ブログなどウェブを通じたコミュニティの確立によって、各個人が価値観やビジョンを共有していることが挙げられます。
資金提供者は、実際には会ったことがなくても、資金を投じることでプロジェクトを起案した資金募集者との距離を縮め、ともに参加している意識が強く醸成されます。
他方で、資金調達しようとする中小企業や個人は、テスト段階にある商品をプロジェクトとして公開し、マーケティングの場としても利用できます。

クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングの運営業者は、資金を必要とする資金募集者のプロジェクトと、それに賛同した、資金提供者(個人)の間を取り持つ役割を果たしています。そのため、運営業者は、既存の信用情報だけではなく、SNS などのネット上の評判を含めて、プロジェクトの審査を行います。
運営業者の収益は、インターネットを経由して低コストで資金を集める場を個人や企業、団体に提供し、集めた資金に応じて手数料を徴収することで成り立っています。

4これからの日本のクラウドファンディング

日本では購入型のクラウドファンディング運営業者が最も多く、新たな参入が相次いでいます。一方、投資型は「規制が厳しく、手間暇がかかる。小口の資金ニーズに対応する のは割に合わない」といわれています。事業者や投資家にガイドラインを遵守させれば良い購入型とは異なり、投資型では、事業者の審査が厳格にならざるをえず、匿名組合契約 の事務も煩雑になります。
また、日本では、クラウドファンディングの資金提供者の大半は首都圏を中心とした大都市周辺に限られており、全国に浸透し普及するまでにはしばらく時間がかかりそうです。 スマートフォン等の端末は普及しても、SNS を通じたコミュニティの成立は十分にあるといえる状況ではないからです。
しかし、時代の要請から、日本における普及も時間の問題であるといわれています。

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